後期高齢者医療制度の課題

高齢者が安心して過ごせる環境づくりのために創設されたのが、医療機関に提示することで医療費を減額できる高齢者医療制度です。その医療制度が新しく改訂され生まれたのが、後期高齢者医療制度になります。これまでの高齢者医療制度は65歳が対象だったのですが、寝たきりなどの重度障害を患っている場合には65歳から、健康な状態であれば75歳を対象に医療費負担を減らすようになっているのです。しかし社会保障費の負担軽減は短期的な効果しかないだけでなく、そのほかにもいろいろな問題があります。その問題というのが、保険料負担の増加です。

新しい方式では高齢者が支払う保険料に、2カ月おきに2万円以上が年金から差し引かれるようになっているのです。もし滞納してしまった場合には保険料の契約違反となり、保険が下りないだけでなく医療費が全額負担となります。そして新しい内容にかかりつけ医の実施が組み込まれており、これは一人のお年寄りに一人の医者がつく形にすることです。この方式にすることで様々な医療機関を受診する手間が省けるメリットがありますが、ただ医師によって病気やけがに関する知識に差があるので適切な医療を受けられなくなる可能性があります。

これらの後期高齢者医療制度の課題をクリアするためには、健康増進に関する民間のサービスを充実させます。65歳以上の人たちが病気やケガをしない体づくりをサポートする運動の実施や往診を充実させることで解決するのです。この医療制度の課題や将来性については、こちらの社会保障制度の未来~後期高齢者医療制度とは~にも触れられているので一読しておくと良いでしょう。